コメート（komet）　-航空史上の異端児-

　旧ドイツ軍の開発した、ロケット戦闘機（秋水の元祖という）。史上初の時速1,000ｋｍ／ｈを越えた航空機。第二次世界大戦当時に、ヨーロッパ戦において実際に使用され、戦歴はＰ-51を3機、Ｂ-17を3機撃墜したという。

• 開発者
  • 　アレキサンダー.リピッシュ博士
    • 　27度の後退角で傾斜する「デルタ翼」を考案する。層流翼型。無尾翼機の信奉者でもある。1939年メッサーシュミット社に入社後、コメートの前身である空軍型式「DFS194」の製作に専念する。
  • 　ヘルムート.ヴァルター
    • 　1933年頃より研究着手した、ヴァルター機関の考案者。航空機用にロケットエンジンを開発した。

• 開発史年表

  1941年　　　10月	Me163A V3は、高度3,965ｍにて、1,011.26km/hの世界記録（当時）を樹立
  1943年　　　8月	Me163B-0が試験飛行（動力飛行テスト開始）
  1944年　　　1月	第400戦闘航空団第1中隊が編成される
  1944年　　　5月	Me163B-1aが、初出撃
  1944年　　　6月	3機を配備
  1944年　　　7月	12機を配備
  1944年　　　8月5日	3機のコメートが、Ｐ-51Dを3機撃墜
  1944年　　　8月24日	Ｂ-17を3機撃墜
  1945年　　　11月	第400戦闘航空団第2中隊が編成される
  1945年　　　4月	第400戦闘航空団第1中隊を解散

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• 機体の進化、発展
  • DFS194
    • 無尾翼ロケット機の原点。試作開発機。
  • Me163A V1〜V3
    • DFS194の改良機。主翼の後退角が進む。テスト機。
  • Me163A V5 "CD+IO"
    • 両翼下に計24発の空対空ロケット弾を装備する。このテスト機のみで終了する。
  • Me163B-0
    • 実用戦闘機が目的の為、全くの新設計で開発された。主翼は骨組み、外皮共に木製。
  • Me163S-1
    • 復座の練習機。教官が後部座席に座れるように開発。
  • Me163B-1a　Trainer version
    • 1座用の練習機仕様。発電機駆動用のプロペラが無いのが特徴。
  • Me163B-1a
    • 量産機。1994年に237機、1945年に42機、計279機造られた。
  • Me163C
    • 滞空時間の延長対策で開発。ロケットモーター作動時間が12分という。試作機3機のみ製造。
  • Me263(Ju248)
    • 滞空時間の短さ、自力移動能力などを補完する目的で開発。試作1機のみ完成。

• 実戦においての弱点
  • ロケットモーターの動作時間が短い（7分30秒）
  • 行動半径が離陸地点より、50km程度に限定される。
  • 各基地間の移動が、自ら出来ない。（地上での自走も出来ない）
  • ロケット燃料自体の保管、取り扱いが困難で特定基地のみでしか扱えない。
  • 離陸が整備されたコンクリートの滑走路でなければ不可能だった。　　　

• 外観

	←　Me163B-1a コメート（第二次大戦当時） 写真引用　（株）長谷川製作所
	←　ザ.コックピット「エルベの螢火」に登場するコメート。 「エルベの螢火」　松本零士　著　小学館発行

　　　

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